企業等における障害者雇用と虐待の実態

◆障害者雇用に関する法改正

平成25 年4 月より民間企業における障害者の法定雇用率が2%に引き上げられました。また、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が、従業員56 人以上から50 人以上に変わっています。
また、今年4 月から、常時雇用している労働者数が100 人を超え200 人以下のすべての企業が、障害者雇用納付金制度(雇用障害者数が法定雇用率を下回っている場合、納付金を納める制度)の対象となりました。
そして来年4 月からは、すべての事業主に対して、障害者の採用や募集時等の「差別的取扱いの禁止」と通院・体調等に考慮する「合理的配慮の提供」が法的義務として定められ、施行されることになっています。

◆職場での障害者雇用と虐待の状況

今年8 月に厚生労働省から「平成26 年度 使用者による障害者虐待の状況等」の結果が公表されました。
これは、障害者を雇用する事業主や職場の上司などのいわゆる「使用者」による障害者への虐待の状況や、虐待を行った事業主に対して講じた装置など、都道府県労働局が把握した実態を、平成26 年4 月1 日から平成27 年3 月31 日の間で取りまとめたものです。
その結果のポイントは以下の通りです。

  • 虐待が認められた事業所が増加(299 事業所で、前年比18.2%増)
  • 虐待が認められた障害者も増加(延べ492 人)
  • 【障害種別】身体障害67 人(前年比17.5%増)、知的障害362 人(同24.0%増)、精神障害52人(同7.1%減)、発達障害11 人(同175.0%増)
  • 【虐待種別】身体的虐待23 人(前年比14.8%減)、性的虐待8 人(同14.3%増)、心理的虐待39 人(同17.0%減)、放置等による虐待12 人(同140.0%増)、経済的虐待419 人(同21.4%増)
  • 製造業での虐待が116 件と最も多く、続いて、医療、福祉業が45 件

◆多くの課題が残る

総合すると、製造業での虐待が最も多く、また、知的障害者への経済的虐待が最多という結果となっています。
様々な法改正が進む中、障害者雇用の実態は万全とは言えず、多くの課題が残されていることが垣間見えます。